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Epox(EP-BX7+) CPUコアのダイオード電圧の取り込みと温度変換


1. CPUサーマルダイオード電圧の取り込みに成功
 通信機能付きデジタルマルチメーターで、Celeron533Aサーマルダイオード電圧の取り込みと、取り込んだデーターをExeclを使って温度データーに変換することに成功しましたのでレポートします。
 加工はいたって簡単で、マザーボードの裏側から、CeleronのB14・B15の端子に、電圧を取り出すシールド線をはんだ付けするだけです。ただし、サーマルダイオード測定機能のあるマザーボードのみ。
 その電圧を、METEXマルチメータと付属のソフトScopeViewでテキストファイルとして取り込み、Execlで計算してグラフを書いてみました。

実験システムの概要
マザーボード:EPOX EP-BX7+ (※RAIDには問題があるようですhttp://www.tcup2.com/232/jmc.html 7/26追記)
CPU:Coppermine Celeron533A Core1.5v 66*8=533Mhz
OS:Windows95
HDD:SCSI 1G外付け
SCSIカード:Tekram DC-390
VGA:3DForce B-32 Plus AGP4X
クラー:アルファー FC−PAL35U(現在薄型扇風機取り付け)
2000年7月20日 室温31〜33度


METEXマルチメータに接続

マザーのB14/B15端子にはんだ付け


 次の図は、ScopeViewソフトのScopeモードの画面です。スーパーπ104万桁を実行した時の電圧変化のグラフです。温度変化が良くわかるように、ソフトクーラーRainを使用して実験をしています。
 縦軸(y)が電圧。OFFSETとして0.62Vに設定。0.005V刻みに設定したため、0.62Vの上の0.63V表示は0.625Vと読み替える。
 横軸(x)は1秒ごとにプロットとしている。点線の1目盛りが30秒の設定になっている。
 このソフトはMETEX M−3610Dに付属していたSCOPEです。デジタルマルチメータはM4660A使用。




2. テキスト電圧データーをExcelで温度に読み替え
 
 CPUコアのサーマルダイオード電圧をどのようにして温度に変換するか?。それが問題です。坂巻さん設計の温度計回路を参考に、計算式を作ってみました。
 最初の回路は非反転増幅回路となっており、ダイオード電圧を5倍に増幅しています。次に、この5倍に増幅したダイオード電圧を、減算器回路でダイオードの−2mvの変化を+の電圧に変換しています。
 この回路から次に示す式、(3.524-(ダイオード電圧*5))*100 なる計算式を作りました。定数3.524の求め方は、ダイオード電圧*5+コア温度/100です。 コア温度はMBM4.0を使って読み取ります。
 この方法を導くために、秋月ダイオード温度計とMSI-6905D MASTERで予備実験も行いました。




3.秋月ダイオード温度計とMSI-6905D MASTERでの予備実験

 まず最初に行った実験は、Coppermine Celeron533Aのコア温度はどれ位になるか、実績のある秋月温度計で測定することにしました。
 それには、Tekram P6B40D-A5のマザーしかないのでCoppermine対応のMSI-6905D MASTERを買ってCeleron533Aを動かしてみる事にしました。とりあえずBIOSのアップデートからです。Vr5102からVr5107にアップしたところ、マルチローダーのMBRがうまく認識せず苦労しました。Vr5102に戻すとうまく立ち上がります。結局Vr5107にして、空き容量にパーテーションをきりWin2000をインストールしました。以前のパーテーションも何とか読むことができました。
 BIOSのアップが出来たところで、Celeron533Aの取り付けです。アルファーFC−PAL35Uを取り付けると、扇風機が当たってスロットに入りません。そこでジャンクBOXから薄い扇風機を探して取り付けました。スロット2にはダミーを挿入します。
 やっと、河童が動くようになりました。動くことを確認して、次はB14/B15へのシールド線のはんだ付けです。まず、秋月サーマルダイオード温度計でコア温度の測定です。PCの電源OFFの状態でCeleron533Aのコア温度および、ダイオード電圧を測定します。次にPCの電源をONにして同じようにコア温度、ダイオード電圧を測定します。
電源OFF コア電圧0.6177v 秋月ダイオード温度計30.6℃⇒定数3.3945
電源ON  コア電圧0.5993v 秋月ダイオード温度計40.2℃(FSB66*8 Core1.5v)⇒定数3.3985
 温度計算式の定数を求めてみると、定数はほぼ近い数値となります。Tekramマザーでは定数を3.3950で計算しました。

Tekram P6B40D-A5に取り付けたCoppermine Celeron533A





動作周波数の違いによる温度比較

TK533表示はTekrame P6B40D-A5、EP533表示はEPOX EP-BX7+である。
動作周波数が高くなると、温度も大き上昇している。
なぜかEPOXの方は振れが小さい。サーマルダイオードにかかっている電圧の違いではないかと思われる。
実験日:2000年7月17日 室温31℃(EPOXデーター7月18日室温31度)
スーパーπ104万桁実行時の温度変化(ソフトクーラー未使用)




4.METEX ScopeViewソフト画面の紹介


METEX M−4660A付属ソフトの起動画面
METEX M−3610D付属ソフトの起動画面



5.感想

 この実験を思いついたのは、EPOXのマザーを買ってからです。6月2日に買ってからやっと作ることが出来ました。このマザーを買った目的は、初めての河童を動かすこと。RAIDシステムにすること。1GHZ近くまでオーバークロックを狙うこと。100×100の超大型クーラーの取り付けなどです。そのためにはなんとしてもコア温度の測定が必要です。MBM4.0でもコア温度は測定できますが、もう少し精密にリアルタイムに測りたいと思って作ってみました。
 次は超大型クーラーの取り付け構想を練っています。RAIDは少し先になるかな・・・・?
 
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