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Pentium4-2.4GのCPUダイ温度について
2003年1月3日掲載
2003年1月18日追記
はじめに
1年ぶりのパソコンの自作です。Celeron533Aをメインマシンとして2年半も愛用してきたのですが、サブマシンのAthlon1600+と比べるとかなり遅く、Pentuim4も価格が手頃となってきたので、奮発してFSB553の2.4GHz版CPUを購入しました。
ケースも静音化をめざして、オウルテック350Wサイレントモデルを購入しました。また、現環境をそっくり移植することをテーマに自作しました。
今回のレポートは、Pentium4のCPUダイ温度の考察と、静音化トライの報告です。
1.マシン仕様
パーツ名 | 仕様 | 新規 購入 |
パーツ名 | 仕様 | 新規 購入 |
|
ケ−ス(オウルテック) | owl-104-silent350W | ○ | 56Kモデム(メルコ) | IGM-PCI56K/LC | × | |
マザーボード(ギガバイト) | GA-8PE667Pro | ○ | モバイルラック | VP-10LSFU66100 | ○ | |
CPU(Intel) | Pentuim4-2.4G | ○ | CPUクーラー | インテル純正 | ○ | |
メモリ(ノーブランド) | PC2700-256M×2 | ○ | モニター(三菱) | RD17GR×2 | × | |
ハードディスク(Maxtor) | DiamondMaxPlus8 | ○ | キーボード(ICOM) | JIS106 | × | |
CD−RW(SONY) | CRX160 | × | マウス(ELECOM) | 光学式 | × | |
CD−ROM(ノーブランド) | E-IDE CD | × | CFカードリーダー | I-ODATA | × | |
SCSIカード(Tekram) | DC-390(スキャナー用) | × | FDD | 2モード | × | |
VGAカード(Matrox) | MillenniuG450Dual | × | FANコントローラー | システムテクノロジー | ○ | |
TV・ビデオキャプチャー | IO DATA | × | UltraATA133(Promise) | Ultra133TX2 | ○ |
OS:Windows98SE
PromiseUltra133TX2を取り付けたのはHDBenchのスピードが出なかったため。
・ HDBench v3.30 - DISK (100MB) | |||
項目 | Read | Write | FileCopy |
GA-8PE+Maxtor 6E040L1 | 21440 | 54200 | 4996 |
GA-8PE+ACARD6880+Maxtor 6E040L0 | 11946 | 57173 | 3321 |
GA-8PE+Ultra133+Maxtor 6E040L0 | 55053 | 53781 | 5182 |
・ SiSoft Sandra 2002te - Drive BenchMark | |||||||
項目 | Buffered Read | Sequential Read | Random Read | Buffered Write | Sequential Write | Random Write | Average Access |
GA-8PE+Maxtor 6E040L0 | 92MB/s | 52MB/s | 6MB/s | 84MB/s | 48B/s | 8MB/s | 9ms |
GA-8PE+ACARD6880+Maxtor 6E040L0 | 97MB/s | 50MB/s | 7MB/s | 92MB/s | 47B/s | 8MB/s | 8ms |
GA-8PE+Ultra133+Maxtor6E040L0 | 124B/s | 56MB/s | 7MB/s | 90MB/s | 53B/s | 10MB/s | 8ms |
2.システムの移植
システムの移植の方法は、現行マシンのHDDを別のコピー専用マシンで丸ごとコピーして、新しいマシンに取り付けチップセットドライバーをインストールしました。うまくいくか不安でしたが、現在何のトラブルもなく稼動しています。
以下手順を紹介します。
@現行マシンのHDDをNortonGhostにて丸ごとコピー。
Ghostはマザーボードにバンドルされたものもありますが、私はNortonシステムワークスProfessionalを使用しています。また、コピーには古いマシンをコピー専用に作っています。
Ghostは新しいHDDをFdiskで領域確保などする必要がなく、買ってきたHDDをつないでコピーするだけで10〜15分でコピーできます。また、4GでFAT16の2パーテーションHDDを、40GでFAT32の2パーテーションにコピーすることもできます。
現行マシンHDDの不要なデータ−は削除し、Windowsツールでエラーチェック、最適化を行なっておくことがトラブル防止になります。私はNotornUtilitiesでディスク診断や最適化を実施しておきました。
A新しいマシンにHDDをつないで起動
パソコンが起動するための最低限の構成(VGAのみ)で、コピーしたHDDを新しいマシンに接続して起動すると、必要なドライバーを自動的に読み込んでWindowos98が起動するようになります。
Bチップセットに必要なドライバーのインストール
マザーボードに付属のCDからチップセットに必要なドライバーをインストールします。
そのあと同じCDから、Audio、Network、USB2.0などのドライバーをインストールします。
C他のカードを挿してドライバーをインストール
その他必要なカードを挿してドライバーをインストールすれば移植はすべて完了です。
注:この移植の方法が正しいとは限りません。実施に当たっては自己責任でお願いします。
3.Pentium4のCPUダイ温度の考察
システムの移植後、マザー付属のGigabyte Hardware Health
UtilityをインストールするとCPUコア温度見ることが出来ます。このモニターの温度を見て感じたのは、表示温度が少し低いような気がします。CPU消費電力が57.8Wもあるのに、温度はCeleron533Aとあまり変わりません。
温度変化ログの取れるソフト、BMB5.2.1.0(http://mbm.livewiredev.com/)をダウンロードして温度計測を行なってみました。MBM5とGigabyteのハードウエアモニターは同じ表示温度となりました。
以前取った、Celeron、Athlonデータとコア温度の比較をしてみました。(それぞれのデータ−を取ったときの室温を基準に校正しています。室温24.7℃にAthlon・Pentium4は校正しています。)
CPUクーラーや、コア温度の測定方法、室温が違うため比較をするには無理があるかとも思いますが、温度上昇の状況からPentium4のヒートスプレーダーの効果がうかがえます。
消費電力からすれば、Pentium4の絶対温度はもう少し高くなるように思えるのですが?
Celeron(533A)923M | Athlon1600+ | Pentium4-2.4G | |
クーラー | alphaPEP66 | alpha8045 | Intel純正 |
CPU消費電力 | (11.2)26.7 | 60.7 | 57.8 |
Core電圧 | (1.50)1.65 | 1.76 | 1.53 |
Superπ | 104万桁 | 209万桁 | 209万桁 |
プロセス | 0.18μm | 0.18μm | 0.13μm |
オーバークロック | 533Aをオーバークロック | ノーマル | ノーマル |
温度測定方法 | ダイオード電圧を温度変換 | 自作秋月コア温度計 | MBM5.2.1.0 |
4.FANコントローラーの取り付けと静音化
システムテクノロジーのファンコントローラーを取り付け、CPUファン、ケースファンの回転数を変えて騒音を測定してみました。このコントローラーは回転数を0〜Maxまで変化させることが出来るので静音化の実験には役に立ちます。
測定結果から、クーラーファンの回転を半分にした場合、温度は3℃高くなりました。冬場なのでこの程度の差ですんでいると思います。
騒音は2dBの低下です。体感できるCPUファンによる騒音低下は1500rpm以下は同じように感じました。よって常用時の回転数は冬場は1500rpm程度にして使用しています。
CPUクーラーの回転数による騒音と温度比較(室温19.0℃) 【温度測定はMBM5使用】 | |||
項目 | クーラーファンの回転数 2400rpm |
クーラーファンの回転数 1200rpm |
クーラーファンの回転数 0rpm |
騒音(パソコン前面より50cm) | 46.5dB | 44.5dB | 44.0dB |
π209万桁実行時の最高温度(℃) | 33 | 36 | - |
無負荷時の温度(℃) | 22 | 23 | - |
ケースファン:1200rpm、電源ファン:1640rpm(温度により自動可変) |
5.まとめ
システムの移行はOSやソフトのインストール、インターネットの設定、アカウント・メールアドレス等の設定で結構大変です。今回はHDDのまるごとコピーでうまくきりぬけました。
Pentium4の発熱については、もう少し温度が高いと思いますが検証する方法が見つかりません。サーマルダイオードに電圧のかかっているチップの端子を足上げして、秋月温度計を接続する手も考えられますが、メインマシンなのでそこまでの冒険は出来ません。とりあえず、ヒートシンクの裏にサーミスター温度計を貼り付けて比較してみようと思っています。
騒音とクーラーファンの回転数の関係については、思ったほど騒音レベルが下がりませんでした。あと対策を打つとすればHDDとモバイルラックのファンを改善する必要がありそうです。40dBレベルのパソコンにしたいのですが。なかなか難しそうです。
2003年1月18日追記
CPUコア温度測定のGigabyte Hardware MonitorやBMB5.2.1.0の温度表示が少し低いとの思いを検証するために、CPUクーラーの裏面にサーミスター温度計を貼り付けてコア温度と比較してみました。
FANコントローラーと温度計センサーの貼り付け |
CPUクーラーの取り付けには、サーミスターを貼り付けてクーラーを取り付けやすかったため、Athlon用クーラーを取り付けできる金具「CoolerChanger」を使用しました。ただし、爪を引っ掛ける部分は接圧がかかりすぎるのでヤスリで削り取っています。
Athlon用のカニエHedgehog-typeWを取り付けて、Pentium4付属のクーラーと比較したのですが温度はほとんど変わらないため、静かなPentium4付属クーラーを使用しています。付属クーラーはよく冷えます。
Pentium4の空冷システムは大変優秀です。これなら夏場でも問題ないでしょう。
CoolerChanger金具 | カニエHedgehog-typeWの取り付け |
コア温度の比較結果では、Gigabyte Hardware MonitorやBMB5.2.1.0の温度表示は、そこそこ信頼できる数値と思います。写真の位置で約2度の温度差となりました。(もう少し温度差があると思うのですが)
項目 | 無負荷時 | Superπ209万桁実行時最高温度 |
サーミスター温度計 | 22.8℃ | 31.6℃ |
ギガバイトHardwareMonitor | 25℃ | 36℃ |
室温 | 16.0℃ | 16.0℃ |
条件 | Cpu2411MHz、Vcore1.530V、CpuFan1278rpm |
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