TTOP 更新情報 桃源郷の四季 実験レポート 作る楽しみ 道具箱 リンク

カニエHedgehog-typeW vs AlphaPAL8045 

2002年7月4日掲載


1. GIGABYTE GA-7DXRに巨大クーラーを取り付ける
 Athlon温度計の校正が完了し、GA-7DXR+Athlon1600でCPU温度のリアルタイム計測ができるようになったので、静音化を目的に買っておいたクーラーを取り付け温度比較を行ないましたのでレポートします。
 カニエHedgehog-typeWはネットで情報収集の結果、取り付け不可能と思っていたのですが、処分価格の物を見つけたのでついつい買ってしまいました。ところが、マザーに乗せると、電源コネクターのコードを曲げればあっさり取り付けることができました。コンデンサーなどの干渉をかわす、カニエクーラーの作りに感嘆しました。
 一方、Alpha-PLA8045はネットでは、取り付け可能の情報が多かったので、OKと思っていたら、コンデンサーが僅かですが干渉して取り付けできません。あきらめず、気合を入れて、マザーのコンデンサーを半田ごてを使って寝かしてやりました。

カニエHedgehog-typeW 電源コネクターのコードを曲げる Alpha-PLA8045

2.Alpha-PAL8045の取り付け改造
 Alpha-PAL8045クーラーは、マザーボードのコンデンサーを1個だけ寝かすことにより取り付けが可能となります。
改造は、マザーボードの裏側から、熱が良く伝わるようにハンダを肉盛りして加熱し、コンデンサーを寝かしました。このマザーは高温ハンダを使っているのでしょうか、40Wの半田ゴテではなかなか溶けませんでした。
 このクーラーの取り付け方法はとてもよくできていて、取り付け後も安心感があります。取り外してグリスの密着面を見ると均一にグリスが残っていました。

2〜3ミリ干渉するので取り付けられない コンデンサーを寝かす Alpha8045を取り付けた状態

3.実験システムの概要
・マザーボード:GIGABYTE GA-7DXR(Chipset:AMD761,VT82C686B)
・CPU:AMD AthlonXP1600+(Palomino) 1364MHz,Vcore1.763V(DefaultのままでFSB260MHzでした)
・OS:WindowsMe
・ケース開放
・HDD:IDE RAID/ATA100(Promise,PDC20265R)/IBM IC35L040AVVA07 40G×2
・VGA:Nvidia GeForceMX200

4.温度測定の方法

 温度測定はAthlonコア温度計を使って、サーマルダイオート電圧をMetexマルチメーターでパソコンに取り込み、excelを使って温度変換しています。また、Athlon温度計を目視で読んで記録しています。
 クーラーの温度比較のために、一般的な、IntelのリテールクーラーとKanie Hedgehog238Mを取り付けて温度比較をしました。以下はクーラーの仕様です。

INTELリテール(ジャンク品)
(PentiumIII 700MHz用と思われる)
FAN:SANYO
DC12V 0.1A
回転数:4000rpm

リテールのクーラー固定金具は硬くて取り付けが出来ないので、Alpha製を使っています。(バネ少し弱し)
カニエHedgehog-238M
FAN:SANYO
DC12V 0.11A
回転数:4000rpm

FANはMELCO/0.22A/5000rpmが付いていますが音が大きいため山洋電気の4000回転FANを使用しています。
Alpha PAL8045
FAN:SANYO(PetitAce 25)ジャンク品
DC12V 0.13A
回転数:2700rpm(カタログ)

FANなしを購入したため、ねじが短く、手持ちのFANはこれしか取り付けができませんでした。
風きり音がけっこう大きく、HedgehogWのFAN2個の方が静かに感じます。
カニエHedgehogW
FAN1:SANYO(PicoAce25 109R0612H401),
FAN2:SANYO(PicoAce25 109R0612H4021),
DC12V 0.11A
回転数:4000rpm

FANはDELTA/0.48A/6800rpmが付いていますが音が大きいため山洋電気の4000回転FANを使用しています。

5.温度比較
 上記4種類のCPUクーラーを使用して、Superπ209万桁を走らせ、温度変化を記録して比較してみました。
その結果、カニエHedgehogWとAlphaPAL8045はほぼ同じ性能ですが、カニエHedgehogWの方が、材料が銅のため放熱性が優れている分、元の温度に戻るのが早いのが分かります。
 FANの風向きは、intelリテールクーラーのみ吹付けで、他は吸出しで
す。カニエHedgehogWと238Mで風向きによる温度差を比較をすると、HedgehogWでは2.2〜3.2℃、Hedgehog238Mでは2.9〜3.7℃吸出しの方が低い結果となりました。これはケースの換気によって大きく変わると思います。今回の実験ではケースは開放ですので、カバーを付けるとさらに温度が上がり、吹付けと吸出しの温度差も変わると思います。

(計測時のパソコンケース上の室温26.3〜26.6度)

Athlon温度計の読み

クーラー 室温 無負荷時温度 Superp
実行時最高温度
FAN風向き FAN回転数
rpm
Intle 26.3 58.9 65.9 吹付け 4045
Kanie238M 26.4 52.0 57.1 吹付け 3996
Kanie238M 26.6 49.1 53.4 吸出し 3996
KanieW 26.4 46.6 51.2 吹付け 3996
KanieW 26.4 44.4 48.0 吸出し 3996
Alpha8045 26.3 45.0 48.5 吸出し (2700)


6.まとめ
 AthlonXP1600+(Palomino)は定格で使用してもかなり発熱します。ひ弱なクーラーでは室温より30℃以上温度が上昇し、夏場の室温(30℃以上)ではすぐに不安定領域に達してしまいます。ケース内の排熱とVGAカードやハードディスクの排熱も、安定マシンを追求する上では重要なポイントです。
 今回の実験では、ケースを開放状態でクーラー温度の比較を行ないましたが、カニエHedgehogWが最も性能が良いことが判明しました。
 今後の静音化計画では、カニエHedgehogWを使用し、ケース内の排熱とVGAカードやハードディスクの排熱を考慮したマシンに仕上げたいと思っています。

TOPページへ 実験レポートへ